Asian Dub Foundation@心斎橋クアトロ(3/6)

ADFとの出会いは01年のフジロック。ロンドン在住のバングラディシュ人・インド人の混合バンドで、グリーンステージに登場した彼らのサウンドはいわゆるワールドミュージックとは一線を画す唯一無二の「踊れる」バンドだった。バングラビートとヒップホップがミックスされたこれまで聴いた事のない音で、とにかく踊らずにいられない楽しい初体験。
08年のフジロックのクロージングで再会。随分エレクトロな感じになってて01年の時とはボーカルも変わったしイメージの変化を感じた。でも、根っこの「バングラビート」は勿論健在でやっぱり踊り狂った。

ベスト盤以外、彼らのアルバムを意識して買ったのは前作の「Punkara」から。レビューにこれまでにないパンクロック色を加味してるとあったので試聴してみたらピンと来た。意外にもイギー・ポップをボーカルゲストに迎えてストゥージズ時代の名曲「No Fun」をカヴァーしてるのも面白い。
UK在住のアジア人、というマイノリティーな存在として彼らは歌詞の面でも硬派で鋭い社会風刺を強力なビートに載せて発信してきた。これまで、人種問題、911イラクアフガニスタンといった政治的テーマをアルバムに載せ、最新作「A HISTORY OF NOW」では人間とテクノロジー(インターネット)との関わりを表現。ジャケットではiPhoneに似た液晶画面のデザインをモチーフにしてる。
で、彼らがすごいのは一度つくったPVを、エジプトから火がついた「ジャスミン革命」に合わせて「アップデート」したこと。ネットにはいい面も悪い面もあるが今回の人民のデモ行動のように使い方によっては素晴らしい「武器」になる、それをまさに彼らの音楽でタイミングよくメッセージになったのがこの楽曲。

Asian Dub Foundation - A History Of Now

アップデート前のPV

で、初のADFツアーライブを観てきました。ちょうど大阪神戸に旅行したので一度行きたかった心斎橋クアトロ(もうすぐなくなってしまうらしい、残念)で。
渋谷と同じレンガ色の内装で柱はあったもののやはり横に広くて観やすいハコ。
彼らの登場の前に同じUK出身のドラムンベースバンド3人組、The Qemists。新人ながら既にかなりの人気者らしくたっぷり1時間近くプレイ。エレクトロなダンスミュージックでとにかく若さもあって激しかった!フロアの揺れがハンパなくて暑かった(笑)4人のゲストボーカルが入れ替わり立ち代りで最後にはメンバーのダイブもあり。紅一点のソウルフルな女性ボーカルが良かったな。しかし、これはオープニングの粋を超えてるだろうって…

で、すっかりフロアが熱帯夜になった中、ADFの登場。メンバーは激しく変わり、1994年結成当初からの唯一の古参メンバーのチャンドラソニック(ギタリスト)だけになったのでライブは観るたびに新鮮な印象。ツインボーカルは人のよさそなおっちゃん2人(笑)。でも、力強いラップとシンガーでほんとカッコよかった〜とにかく踊る、踊る。跳ねる。腕を突き出す。ほぼ満員でほんとアンコールが終った後も皆シアワセな顔してましたよ。
セットリストは東京のしか判んないけど、大阪も同じだったような。新旧バランスよくやってくれたけど、個人的には最近の曲が嬉しかった。

Smashing Magより拝借)
Bride of Punkara / Rise / Take Back / Urgency / Target / London Eye / Speed of Light / History of Now / Future Proof / Burning Fence / Flyover / Dhol Rinse Jam / Naxalite / Oil
― encore ―
Fortress / Rebel